第67章

偽善者の“それ”は雪乃の首筋にべったりと張りつき、ちゅう、と吸い上げた。まるで巨大な蚊が血を吸い尽くしたみたいに、膨れ上がった魂の輪郭が透けていく。

雪乃は首元がひやりとして、頭までぼうっと重くなった。

目の下に、青黒い隈がじわりと浮かび上がっていく。

教壇の上で、英語教師が鼻先を持ち上げるように言い放った。

「いい? 覚えておきなさい。保護者がどんな大物だろうが、どれだけ金持ちだろうが関係ない。ここでは、私のルールがルールよ」

そして不意に神崎旭へ視線を投げ、冷笑する。

「神崎旭。あんたの妹、よね? 聞いたわよ。あの子が家に来た途端、叔父さんと叔母さんが離婚したんですって?」

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